4歳息子が、よく技を繰り出してきます。
「ファイアーボール!!」
「炎弾!!」
「ウルトラハイパーなんちゃらかんちゃら!!」
「闇ぱんち!!」
技名を叫んで、かっこいいポーズを決める。
叩いたり蹴ったりしてくるわけではありません。
実害はない。
実害はないんだけど、毎回こちらにリアクションが求められます。
「うわあ〜」
「燃える〜」
「やられた〜」
保育園から歩いて帰る途中でも、家の中でも、外でも突然始まるので、母は移動式アクション俳優みたいになっています。
しかも、反応すると増える。
一発受けたら、次の技。
次の技を受けたら、さらに新技。
気づいたら帰り道が、4歳児主催の必殺技発表会になっている。
かわいい。
かわいいんだけど、毎回はしんどい。
今回は、4歳息子の“技ごっこ”にどう反応すればいいのか、子どもの頭の中で何が起きていそうなのかを考えた話です。
4歳息子が、どこでも技を繰り出してくる

息子の技ごっこは、場所を選びません。
家の中でもやる。
外でもやる。
保育園から歩いて帰る途中でもやる。
「ファイアーボール!」
「炎弾!」
「闇ぱんち!」
4歳児の技名って、だいたい火力が高いです。
ファイアー、炎、闇、ハイパー。
朝の味噌汁くらいの温度感で暮らしたい母に、属性攻撃が飛んできます。
しかも、本人はかなり真剣です。
技名を言うだけではなく、ちゃんとかっこいいポーズまでついてくる。
腕を構えて、足を踏んばって、表情も決めている。
たぶん本人の中では、かなり強い技が出ています。
こちらも最初は、
「うわあ〜!」
「燃える〜!」
「やられた〜!」
と反応していました。
でも、毎回となると話は別です。
保育園帰りに歩きながら、何度も何度も技を受ける。
買い物帰りにも技を受ける。
家の中でも、ちょっと座った瞬間に技を受ける。
母、そんなに耐性ない。
はねママ叩かない。蹴らない。ただ技名とポーズだけ。でも回数が多い。多いのよ。
叩く・蹴るではない。でも毎回反応するのが地味にしんどい


困るのは、息子が悪いことをしている感じではないところです。
叩くわけでも、蹴るわけでもない。
誰かを傷つけているわけでもない。
ただ、こちらに毎回“受ける役”が発生します。
技を出される。
親が反応する。
子どもが楽しくなる。
もう一発来る。
このループが地味にしんどい。
「やめなさい!」と言うほどではない。
でも、毎回「うわあ〜!」とやられるのも疲れる。
ここが難しいところです。
遊びそのものが嫌なわけではない。
でも、終わりが見えない。
こちらの反応次第で、さらに続く。
しかも外でも始まる。
母のHPは、見えないところで少しずつ削られています。
技ごっこは、言葉・体・想像を使った遊びなのかもしれない
「ファイアーボール!」だけ聞くと、親としては「また始まった」なのですが、息子の中ではたぶん何かが起きています。
見えない敵がいるのかもしれない。
自分が強いヒーローになっているのかもしれない。
技名の響きそのものが気持ちいいのかもしれない。
言葉と体と想像が、一気に動いている時間。
そう考えると、ただの謎攻撃ではなく、4歳なりの表現なのかもしれません。
文部科学省の「幼児期運動指針」でも、幼児期は体を動かす遊びを通して、多様な動きを経験することが大切だとされています。
もちろん、息子の「闇ぱんち」が運動指針に載っているわけではありません。
でも、ポーズを決めたり、体をひねったり、腕を構えたりするのは、本人にとっては楽しい身体表現なのだと思います。
また、ごっこ遊びは子どもの自己調整の発達と関係する可能性がある、という研究もあります。
難しく言うと少し遠く感じますが、要するに、子どもは遊びの中で「役になりきる」「ルールを作る」「相手の反応を見る」「自分の動きを調整する」ようなことをしているのかもしれません。
だから、技ごっこ自体をすぐに悪いものと決めなくてもよさそうです。
ただし。
親が毎回フル装備で受け止める必要は、たぶんありません。
反応すると増えるのは、「効いた!」と思っているからかも
こちらが「うわあ〜!」と反応すると、息子の中ではたぶん成功判定が出ています。
技が効いた。
ママが世界に入ってきた。
もう一発いける。
そして、次の技が来る。
「炎弾!」
「うわあ〜!」
「闇ぱんち!」
「やられた〜!」
「ウルトラハイパーなんちゃらかんちゃら!」
「え、それは長い!」
こちらが少しでも違う反応をすると、息子はさらに楽しくなる。
たぶん、反応ガチャです。
次はどんな返しが出るのか。
どんな倒れ方をするのか。
どんなツッコミが来るのか。
子どもにとっては、楽しいやりとりなのだと思います。
でも親としては、帰り道でずっと反応ガチャを回されるのはしんどい。
こちらはただ、家に帰りたいだけの日もあります。



母の「うわあ〜」は、技ごっこ界ではたぶん高評価レビュー。
親が毎回全力でやられ役をしなくてもいい


技ごっこそのものは、悪い遊びではないと思います。
叩かない。
蹴らない。
人を傷つけない。
その範囲で、技名を考えて、ポーズを決めて、本人が楽しんでいるなら、それはそれでかわいい。
でも、親が毎回全力でやられ役をしなくてもいい。
子どもの世界を大事にすることと、親が帰り道ずっと燃え続けることは別です。
「見たよ」
「かっこいいポーズだったね」
「でもママへの技はあと1回ね」
それくらいでいい日もあると思います。
大切なのは、遊びを全部否定しないこと。
でも、親のHPも守ること。
「その遊びは好きでいいよ」
「でも、ママに何回も撃つのはしんどいよ」
この両方を伝えていいのだと思いました。
わが家で使えそうな“技ごっこルール”


技ごっこを完全にやめさせるより、わが家ではルールを作った方が現実的そうです。
遊びを禁止するためではなく、親も子も続けやすい形にするためです。
ママへの技は3回まで
まずは、ママへの技は3回まで。
「ママに撃つのは3回までね」
「その後は見えない敵にお願いします」
これなら、子どもの世界を壊しすぎずに、こちらの限界も伝えられます。
見えない敵は便利です。
どこにでもいる。
誰も傷つかない。
母が毎回被弾しなくていい。
ありがとう、見えない敵。
外では小声・人には向けない
外で大声の技名を叫ばれると、ちょっと周りの目が気になる時もあります。
なので、
「外では小さい声の闇ぱんちでお願いします」
「通行人には技を撃ちません」
「ママか見えない敵だけです」
このあたりは決めておきたいです。
子どもにとっては遊びでも、知らない人からするとびっくりすることもあります。
外では小声。
人には向けない。
これは、技ごっこにも必要なマナーかもしれません。
手や足が出たら終了
今のところ、息子は叩いたり蹴ったりしてきません。
技名とポーズだけ。
ここはかなりありがたいです。
ただ、遊びが盛り上がると、だんだん手や足が出そうになることもあるかもしれません。
その時は、
「ポーズはOK。手が当たったら終了」
「叩く・蹴るに変わったら、技ごっこはおしまい」
と決めておくのがよさそうです。
戦いっぽい遊びは、子どもによく見られる遊びのひとつとされています。
でも、相手が嫌がっているのに続けたり、本当に痛いことをしたりするなら、そこには線引きが必要です。
疲れている日は「技受付終了」
そして、親が疲れている日は、技受付終了でいい。
「ママ今日HP少ない。技受付終了です」
「ポーズだけ見せて。リアクションはお休みです」
「今日は見るだけの日にします」
これを言ってもいいことにしたいです。
子どもに付き合うことは大切。
でも、親の元気がゼロの日に、無限にやられ役をするのは難しい。
母にも営業時間があります。



「技受付終了しました」って言える母でありたい。役所を心に建てる。
反応を定型文にすると少しラクになる
毎回違うリアクションをすると、子どもはさらに楽しくなります。
親の反応が毎回変わると、それ自体が遊びになります。
だから、疲れている時は定型文にしてもいいと思いました。
たとえば、
- 闇ぱんち確認しました。歩きます。
- ファイアーボール見ました。前を向いて進みます。
- かっこいいポーズでした。道路では終了です。
- ママのHPはもうゼロです。技受付終了。
- その技は見えない敵にお願いします。
- 外では小声バージョンでお願いします。
ポイントは、「見たよ」は伝えるけれど、遊びを広げすぎないこと。
「うわあ〜!」と毎回倒れると、どうしても次の技が来ます。
でも、
「確認しました。歩きます」
だと、見ていることは伝わるけれど、こちらが戦闘モードに入らずに済みます。
母の中に、技受付窓口を作る感じです。
受け付ける。
処理する。
必要なら終了する。
心の中の役所、地味に大事。
まとめ|子どもの世界は壊さず、親のHPも守りたい


4歳息子の技ごっこは、親から見るとよく分からない攻撃です。
「ファイアーボール!」
「炎弾!」
「闇ぱんち!」
技名だけ聞くと、こちらの日常に急にファンタジーが割り込んできます。
でも、叩く・蹴るではなく、技名とポーズだけ。
その中には、言葉遊びや身体表現、想像の世界が詰まっているのかもしれません。
だから、頭ごなしにやめさせるより、まずは「見たよ」と受け取る。
でも、毎回全力でやられ役をする必要はない。
ママへの技は3回まで。
外では小声。
人には向けない。
手や足が出たら終了。
疲れている日は技受付終了。
子どもの世界は壊さず、親のHPも守る。
この両方を大事にしたいです。
今日もどこかで「闇ぱんち!」が飛んできます。
母は受け止めたり、受け流したりしながら、なんとか家まで歩いて帰ります。
参考リンク
- 文部科学省「幼児期運動指針」
幼児期は体を動かす遊びを通して、多様な動きを経験することが大切だとされています。 - Bredikyte M.「Pretend play as the space for development of self-regulation」
3〜6歳の子どものごっこ遊びと自己調整の関係を扱った研究です。 - Peter K. Smith「Play fighting (rough-and-tumble play) in children」
子どもの戦いごっこ・じゃれ合い遊びについて扱ったレビューです。
関連記事





